作成日 7月 5, 2010 at 4:26 pm
作成日 7月 5, 2010 at 4:26 pm
スローフードは、ハンバーガーなどのファストフードとは反対の概念で、早く食べることに関しては世界のどこにも負けないと言われる韓国人にとっては、とても身近な単語だ。スローフードは24年前にローマで初めて登場してから、高い関心を受けている。 1986年、イタリアのローマにマクドナルドが初めて入ってきた時、食文化や食材を楽しむための権利を保護するためにカルロ・ペトリーニが初めて始めたのがその由来だ。その翌年、活動家たちは国際スローフード運動機構を設立した。彼らは次のような声明を発表した。 「私たちはスピードの奴隷になり、家庭生活に入り込み、生活習慣に支障をきたし、ファストフードを食べるウイルスに屈服した。生産性という名でファーストライフは私たちの生きる方法と環境、風景を歪めた。これからはスローフードが唯一の進歩的な答えだ」 小さなカタツムリをマークとしたスローフード運動は現在、韓国を含む世界153カ国に10万人が超える会員が存在する。韓国では京畿道南楊州市(ナミャンジュシ)で9月10日~11日間に「2010スローフード大会」が行われ、スローフード運動の創始者であるペトリーニ氏も参加する予定だ。 多くの外勢からの侵略の歴史を持つ韓国は、早く食べる文化が出来上がる原因となり、ラーメンやソルロンタンなど、あらかじめ用意されて数分で提供される料理が発達した。貧困が続き、食べ物の量が不足した時代には、大家族の中で幼い兄弟が互いに食べるために競争し、早く食べる習慣が生まれる原因となった。 古い慣習はそう簡単に消えない。 当然の事だが、ほとんどの韓国人は食堂で料理を待つことを嫌う。料理の質は気にもせず、早く出てくるのを好む。人気のある食堂の主人もまた、料理を早く食べて、早く出ていく客を好む。そうすれば、もっとたくさんの客が入るし、売り上げが上がるからだ。従業員たちはこの食習慣を利用する。あるグループの客来れば、それぞれが違う料理を注文すると時間がかかるので、同じ料理を注文すれば早く出てくると言ったりもする。 アメリカから渡ってきた有名なファミリレストランとファストフードのチェーン店は、15分で料理が出てくるが、そうでなければお金は受け取らないという言葉で、客を誘惑する。ボイラーメーカー(アメリカ爆弾酒=ビールにウイスキー入れて飲むこと)や爆弾酒の流行は、韓国人特有の欲であり、短時間でお酒を飲むための結果でもある。 韓国語の副詞である「早く早く(パルリ、パルリ)」は“催促する”の意味で、外国人も聞きなれた単語かもしれない。特に、東南アジアでは韓国人観光客たちが、そのように言っているのをよく耳にする。その言葉は、頭の回転が速くて賢いという意味から、我慢できない急な性格など、肯定的な意味と否定的な意味がある。問題なのは否定的な意味の場合だ。韓国人のせっかちな部分は、韓国が交通事故による死亡率が高いという、恥ずべき言葉がついてまわる。挙句の果てに、「5分先に行こうとしたが、50年先に逝く」という言葉まで出るほどだ。 こんにちの韓国は、短時間で目標を達成するため、夜も熱心に働く国民の敏捷性と迅速さで大きく発展している。また、韓国人は世界の早い変化に敏感で積極的に対処する。労動者たちは迅速な働きが必要で、スポーツ選手は速くなければならない。外科医は素早く治療しなければならない。しかし、韓国人は早いということが人生においてもっとも重要な価値かどうかを真剣に考えなければならない。 アメリカの作家であり、相談専門家のアーニー・J.ゼリンスキーが使った「急ぐな、幸せだろう」 (199年作) という本は人生をゆっくり楽しむ650種類の方法を紹介している。彼はこう提案した。 「興味深い逆説は、あなたの人生で慌てるという気持ちをなくしたいのであれば、次を肝に銘じなければならないということだ。一般的な信頼とは違い、狂ったように速度を上げて早く仕事をこなすからといって、もっと重要な事を楽しめる時間が増えるのではない。人生で時間を作る一番いい方法は、のびやかになることだ。何をしてもその瞬間を楽しみ、生きることを急がなければ、あなたは本当に願う人生を生きていくことができるでしょう」 「焦る病(hurry sickness)」は極度なストレス、神経過敏、震え、消化不良、高血圧、心臓疾患などの身体の問題を引き起こす。研究者たちは「焦る病」が根本的に、心臓麻痺とガンを引き起こすという。その代わりに、仕事と気持ちの均衡はストレスの減少、気分の改善、生きることの満足度を増加させるのはもちろん、免疫体系も強化するという。 しかし、私たちはそういった行動が役に立つとはいえ、前述の提案のように生き方を変えることが、どれだけ難しいのかはよく分かっている。なぜならば、私たちは今でも早く変化し、日常においても早いことを要求する現代社会に生きているからだ。問題は私たちが早く動いたり(早くするほど、もっと早くしろという圧力を受ける)、 その要求に合わせているということだ。「仕事は人の物であり、ブラブラするのは神の物だ」 という言葉にもあるように、人々は社会の目まぐるしい変化に遅れないために一生懸命に働く。 “遅い”といえば怠け、愚か、慌て、頑固、変化を嫌うなどのように否定的な意味で用いられることが多い。しかし一方で、平定、忍耐心、環境の変化によって左右されないのと同じように、難しい状況での決断力のような肯定的な意味も持つ。 日常生活で“遅い”ことを楽しむ手軽な方法は、食文化や食材を楽しむための権利を保護することだ。 早く提供するため、あらかじめ準備しておいたように見えるが、根本的に韓国料理は遅いという特徴を持っている。外国人が一番好きな料理で脚光を浴びているビビンパのような料理を作るためには、多くの時間が必要だ。 私たち現代人は、いつも忙しく過ごしているので、自分のために使う十分な時間を持てていない。まずは自分のための時間作りを夜の食卓から始めて見よう。
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